平成30年度 家庭部門の二酸化炭素排出実態統計調査の結果について

トピックス温暖化情報

環境省は、平成30年度の「家庭部門のCO2排出実態統計調査」の結果(確報値)を発表しました。

日本は、地球温暖化対策計画において、2030年度の温室効果ガス排出量について、2013年度比26%削減家庭部門では約4割削減することを目標として掲げています。

環境省では、地球温暖化対策の企画・立案に役立てる基礎資料として、「家庭部門のCO2排出実態統計調査」を実施しています。
この調査では、調査世帯数13,000世帯(集計世帯数9,996世帯)を対象に、各世帯の世帯構成、住宅の建て方、電気、ガス等のエネルギー消費量や家電製品別の使用状況等、のべ496項目にわたって詳細に調査しています。

平成30年度の調査結果について、東北地方の情報を交えて一部ご紹介します。


〔全国の結果〕
世帯当たりの年間二酸化炭素排出量は2.90トンで、そのうち、電気の使用による排出が67.2%、都市ガスが13.8%、灯油が12.8%、LPガスが5.9%を占めました。
 
▲世帯当たり年間エネルギー種別CO2排出量・構成比(全国)
出典:環境省「平成30年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 調査の結果(確報値)の概要」
調査の対象期間は平成30年4月~平成31年3月の1年間
 

〔平成29年度との比較〕
平成29年度調査結果(確報値)と平成30年度調査結果(確報値)を比較すると、世帯当たり年間二酸化炭素排出量は9.4%減少しました。この変化の要因として、電気の二酸化炭素排出係数の改善で0.14 t-CO2/世帯・年の減少、平成30年度の冬季の気温が高かったことで0.14 t-CO2/世帯・年の減少、省エネの進展等で0.02 t-CO2/世帯・年の減少と試算されています。
世帯当たり年間エネルギー種別CO2排出量の推移
出典:環境省「平成30年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 調査の結果(確報値)の概要」

 
〔二酸化炭素排出量の季節変化〕
二酸化炭素排出量を月別に比較すると、冬季の排出量が多いという結果が出ました。
1月が最大となり、12~2月の排出量は年間排出量の約35%を占めています。
 
▲世帯当たり月別エネルギー種別CO2排出量
出典:環境省「平成30年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 調査の結果(確報値)の概要」



〔東北地方の年間二酸化炭素排出量〕
東北地方の世帯当たりの年間二酸化炭素排出量は、電気の使用による排出が2.51トン、都市ガスが0.15トン、LPガスが0.24トン、灯油が1.37トンを占めました。
北海道の1.91トンに続き、東北地方は灯油の使用による排出が多くなっています

▲地方別世帯当たり年間エネルギー種別CO2排出量
出典:環境省「平成30年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 調査の結果(確報値)の概要」

 
〔東北地方の用途別二酸化炭素排出量(参考)〕
世帯当たり用途別で排出量を比較すると、東北地方では、暖房と給湯からの排出が多いことがわかります。
 
▲地方別世帯当たり年間用途別CO2排出量
出典:環境省「平成30年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 調査の結果(確報値)の概要」

環境省HPでは、家庭における省エネルギー行動の項目別実施状況と二酸化炭素排出量の結果など、詳細にわたる調査結果の概要を公開しています。

※「平成30年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査の結果(確報値)について」
(環境省HP)

https://www.env.go.jp/press/107858.html


〔温暖化対策を進めましょう!
令和元年6月に策定された「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」では、最終到達点としての「脱炭素社会」を掲げ、それを野心的に今世紀後半のできるだけ早期に実現することを目指すとともに、2050年までに80%の温室効果ガスの削減に大胆に取り組むことなどが明記されています。

また、岩手県では、知事の記者会見(令和元年11月27日)において、2050年温室効果ガス排出量の実質ゼロに取り組むことを表明しました。また、同年12月2日、横浜市と協定を締結している岩手県北9市町村(久慈市、二戸市、葛巻町、普代村、軽米町、野田村、九戸村、洋野町、一戸町)が、再生可能エネルギーを軸とした広域連携により、地域循環共生圏の形成を目指すとし、 2050年までに二酸化炭素排出量をゼロにすることを宣言、令和2年2月18日に「北岩手循環共生圏」が結成されています。

※岩手県及び県北9市町村が「2050年二酸化炭素排出実質ゼロ」を表明しました(いわてわんこ節電所 ホームページ)
https://www.co2-diet.com/topics/detail.php?id=247

地球温暖化は他人事ではなく、一人一人の生活や社会全体に関わる重要な問題です。これらの調査結果を参考にしながら、更に地球温暖化対策を進めていきましょう。