【うちエコ診断】季節の変わり目、家電製品をお掃除しよう!

トピックス県内事例

ご家庭の年間エネルギー使用量や光熱費などの情報をもとに、暮らしに合わせた対策を考えることができる「うちエコ診断」。
https://www.uchieco-shindan.jp/
具体的にどんなことがわかるのか、今回受診いただいた方の事例を紹介します。


賃貸物件で省エネ対策

今回の受診者は、盛岡の郊外にご家族2人でお住まいの方です。お住まいは築年数の古い賃貸アパートで、数年前に引っ越してきて暮らしていますが、自宅のCO₂排出がどの程度か知り、できることから省エネ対策を積極的に実施したいとのことでの今回の受診でした。

いつも通り、まずは事前アンケートに沿って月々の電気代や使用している暖冷房機器などを確認しました。

その結果をもとに同一地域の2人世帯平均との比較を行ったところ、年間光熱・燃料費は平均より少ないことがわかり、CO2の排出量は年間約6 tで、省エネ度は100世帯中32位という結果でした(下図参照)。冬季の暖房をエアコンのみで行っているとのことで、電気代が平均より高くなりましたが、灯油使用がないために省エネ度が高くなりました。




次に、暮らしのどこからどれくらいCO2が出ているかを確認しました。すると、「暖房」由来と「給湯節水」由来のCO2排出量が同程度で最も高く、自動車由来のCO2排出を除くと、暮らしのCO₂排出総量の5~6割を「暖房」と「給湯節水」で占めていることがわかりました(下図参照)。


 

そこで、この「暖房」と「給湯節水」でどうしたらCO2が減らせるかを詳細に検討しました。

まずは使用している冷暖房機器について使用台数や使用時間、設定温度などを詳細にお聞きしたところ、賃貸アパートに備え付けの古いエアコン1台だけで暖房を賄っているとのことでした。なお、診断者様曰く、“以前に住んでいたアパートと比べてエアコンの効きが良い”とのことで、建物には一定の断熱性能があると思われます。

診断の結果、暖房の省エネ対策として最も効果が高いとされた対策は「エアコンを省エネエアコンに買い換える」というものでした。ただ、“賃貸物件のため壊れるまでは交換できない”とのことでしたので、提案できたのは「エアコンの定期的なフィルター掃除」でした。




うちエコ診断士からのアドバイス

エアコンは、フィルターの目が詰まると送風効率が低下し、それに伴って暖房効率が大きく低下してしまいます。自動フィルター掃除機能がある最近の機種でない限り、1ヶ月に一度はフィルター掃除をすることが望ましいです。定期的なフィルター掃除を実施することでCO2は年167kg(家庭全体のCO2排出量の3%に相当)減り、光熱費も約11,000円もお得になります。さらに、可能であれば大家さんにエアコンの買い替えを提案してみてください。

次に検討したのが「給湯節水」です。給湯器の種類や使用状況などを詳細に聞き取りして診断した結果、最もCO2削減効果が高い対策は「給湯機の省エネ型への買い替え」となりました。しかし、給湯器も賃貸アパートの備え付け機器で、借主都合で容易に交換できないものでした。そこで、ここで提案したのは「手元止水型節水シャワーヘッドの導入」でした。

うちエコ診断士からのアドバイス


シャワーヘッドの交換は、数ある省エネ対策のなかでも最も手軽で効果の高い対策の一つです。節水シャワーヘッドとは、お湯の出る穴が小さいシャワーヘッドです。穴が小さいため使用湯量は減りますが、そのぶんお湯の勢いは増しますので、シャワー使用時に不満を感じることはほとんどありません。シャワーの持ち手部分を市販の節水型シャワーヘッドに取り換えるだけで、お湯の使用量と、そのお湯を沸かすための燃料代を両方減らすことができます。手元止水タイプは、手元スイッチで簡単にお湯を止められますので無駄なお湯をさらに減らすことができ、CO2を年203 kg(家庭全体のCO2排出量の3%に相当)、光熱費として28,000円相当の削減効果が見込まれます。

最後に「照明」について検討しました。

うちエコ診断士からのアドバイス

リビングの蛍光灯をLEDシーリングライトに交換することも省エネに効果的です。照明の交換は躯体に影響しないので、賃貸アパートでも手軽に取り組むことができ、また退去時に原状復帰することも容易です。
天井の配線器具が丸型のシーリングアダプタで、蛍光灯を外す際に回して外せるような場合は、電気工事がなくてもLEDシーリングライトに交換できます。このLED導入によりCO2を年127kg(家庭全体のCO2排出量の2%に相当)減らすことができ、光熱費として約8,000円の節約になります。

 

以上で今回の診断を終了しました。

今回の診断で提案された取り組みをすべて実施した場合、削減できるCO2は約500 kg(植樹50本分に相当)にもなりました。これは総排出量の9%の削減に相当します。また年間の光熱費は約47,000円もお得になる見込みとなりました。

今回のように賃貸物件でもできる省エネ対策がありますので、ぜひうちエコ診断にトライして自分なりの“おトクな省エネ対策”を掴んで欲しいと思います。


受診者Sさんからの声

今年は、2月に始まったロシアのウクライナ侵攻により原油価格の上昇など、燃料費の高騰が続いているため気になっていました。
また、環境のために日常からできることに取り組みたいが何をしたら有効かアドバイスが欲しかった、という目的でエコ診断を受けました。事前アンケートと対面でのヒアリングのおかげで、具体的で分かりやすく的確なアドバイスをいただくことができました。
特に参考になったのは、節水シャワーヘッドついて詳しくお聞きし替えることのメリットをしっかりと提示していただいたことです。
また、エアコンのフィルター清掃および照明のLED化による効果をお聞きし、電気代の節約にもなりCO₂削減にも繋がるということを具体的な数値で教えていただきました。
最後に、環境パートナーシップのスタッフの方に申し込みやスケジュール調整も丁寧にしていただき、診断士の花澤さんには診断結果も分かりやすい資料にまとめていただき感謝しております。ありがとうございました。

 

参考資料
※家庭エコ診断制度ポータルサイト
https://www.uchieco-shindan.jp/

※あなたに合ったエコ対策を。「うちエコ診断」を受けてみませんか?(いわてわんこ節電所)
https://www.co2-diet.com/topics/detail.php?id=437

※「みんなでおうち快適化チャレンジ」(COOL CHOICE ホームページ)
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/kaiteki/

※スマートライフおすすめBOOK(一般財団法人 家電製品協会ホームページ)
https://shouene-kaden2.net/recommend_book/