【うちエコ診断】暑さ寒さと省エネ対策。暮らしを見直してみたら・・・

トピックス県内事例

ご家庭の年間エネルギー使用量や光熱費などの情報をもとに、暮らしに合わせた対策を考えることができる「うちエコ診断」。
https://www.uchieco-shindan.jp/
具体的にどんなことがわかるのか、今回受診いただいた方の事例を紹介します。


省エネ対策が気になっています

今回の受診者は、盛岡の住宅街に夫婦2人と子供2人の家族4人でお住まいの方でした。お住まいは10年ほど前に購入したオール電化の一軒家で、比較的新しい建物ですが、断熱などの温熱環境が十分でないためか、暑さ寒さに対する省エネ対策も気になるとのことでの今回の受診でした。

まず事前アンケートに沿って月々の電気代や使用している暖冷房機器などを確認し、同一地域の4人世帯平均との比較を行ったところ、年間光熱・燃料費は平均並みという結果でした(下図参照)。オール電化住宅のため、電気代が平均の2倍となっていますがガス代と灯油代が少なく、全体としては平均と同等となっています。CO2の排出量は年間約9 tでした。



次に、暮らしのどこからどれくらいCO2が出ているかを確認すると、最も多かったのが「暖房」由来のCO2排出でした(下図参照)。次いで「自動車」「給湯節水」となり、このあたりの内訳も岩手県の平均的な傾向となりました。




この後に詳細に診断していくため、これらの項目のなかから診断者様が気になるものをいくつかピックアップしていただいたところ、選択されたのは「暖房」「テレビ」「そのほか(パソコン)」でした。そこでまずは「暖房」でどうしたらCO2が減らせるか一緒に検討しました。

使用されている暖房機器について詳しく訊いたところ、リビングではエアコンを、寝室では灯油ファンヒーターとオイルヒーターを使用していました。使用時間や設定温度、暖房空間の広さ、熱の逃げやすい窓の大きさと数、といった様々なことを考慮したうえで、暖房の省エネ対策として提案できたのは、寝室で使用しているオイルヒーターをエアコンに換えるというものでした。


うちエコ診断士からのアドバイス

暖房
寝室でオイルヒーターを使用しているとのことでしたが、オイルヒーターは比較的電気代がかかる暖房機器です。温風がなくて温度ムラや塵埃の巻き上げもなく、静かで寝室に適した暖房機器ですが、同じ電気を使用する暖房機器で比較すると、エアコンを用いたほうが省エネで経済性も高くなります。エアコンに換えることでCO2は年507kg(家庭全体のCO2排出量の6%に相当)減り、光熱費も約18,000円お得になりますので買い替えても4~5年で元が取れると試算されます。検討してみてください。


テレビ
次に検討したのが「テレビ」です。テレビはプラズマテレビを15年ほど使用しており、その消費電力が気になっているとのことでした。

プラズマテレビは、液晶や有機ELのテレビと比較して最も電気を消費するテレビです。診断の結果、テレビを買い替えることでCO2は年257 kg(家庭全体のCO2排出量の3%に相当)減り、光熱費は約13,000円もお得になるという試算が出ましたので、テレビの買い替えを検討してみてください。また、同時にテレビの明るさも気にしてみてください。明るさを控えめに設定することでCO2を年66 kg、光熱費として4,000円相当の削減効果が見込まれますので、明るさを少し下げても気にならないようであれば、トライしてみてください。


まとめ
その他に診断士からの提案として、「給湯・節水」の省エネとして取り組みやすい節水シャワーヘッドの利用も提案しました。手軽に省エネができる対策の一つですので、ぜひ取り組んで欲しいと思います。

今回の診断で提案された取り組みをすべて採用した場合、削減できるCO2は約1.1 t(植樹100本分に相当)にもなり、これは総排出量の13%の削減に相当します。そしてこれにより光熱費が約6万円お得になります。今回の提案は買い替えも含めていずれも5年以内には元が取れるものですので、ぜひ前向きに取り組んで欲しいと思います。


受診者Tさんからの声

電気代が年々高くなっていることが気になっていた、環境のために日常からできることに取り組みたいが何をしたら有効かアドバイスが欲しかった、という目的でエコ診断を受けました。事前のアンケートとオンラインでのヒアリングのおかげで、具体的で分かりやすく的確なアドバイスをいただくことができました。

特に参考になったのは、使用している電化製品について詳しく聞いていただき買い替えることのメリットをしっかりと提示していただいたことです。

我が家の場合、寝室で使用しているオイルヒーターとメインで使用しているプラズマテレビについてご指摘いただきました。電化製品を使い捨てにするのではなく、大事に使用することが環境にも良いのではと考えておりましが、実際は買い替えることで電気代の節約にもなりCO2削減にも繋がるということを教えていただきました。

気になっていたパソコンについても無理のない範囲で前向きにアドバイスをいただけて良かったです。

また、環境パートナーシップのスタッフの方々に申し込みやスケジュール調整も丁寧にしていただき、診断士の花澤さんには診断結果も分かりやすい資料にまとめていただき感謝しております。ありがとうございました。
 

参考資料
※家庭エコ診断制度ポータルサイト
https://www.uchieco-shindan.jp/

※あなたに合ったエコ対策を。「うちエコ診断」を受けてみませんか?(いわてわんこ節電所)
https://www.co2-diet.com/topics/detail.php?id=437

※「みんなでおうち快適化チャレンジ」(COOL CHOICE ホームページ)
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/kaiteki/

※スマートライフおすすめBOOK(一般財団法人 家電製品協会ホームページ)
https://shouene-kaden2.net/recommend_book/