令和2年度 家庭部門の二酸化炭素排出実態統計調査の結果について

トピックス温暖化情報

環境省は、令和2年度の「家庭部門のCO2排出実態統計調査」の結果(確報値)を発表しました。

環境省では、地球温暖化対策の企画・立案に役立てる基礎資料として、「家庭部門のCO2排出実態統計調査」を実施しています。
この調査では、調査世帯数13,000世帯(集計世帯数10,015世帯)を対象に、各世帯の世帯構成、住宅の建て方、電気、ガス等のエネルギー消費量や家電製品別の使用状況等、詳細に調査しています。

令和2年度の調査結果について、東北地方の情報を交えて一部ご紹介します。


〔全国の結果〕
世帯当たりの年間二酸化炭素排出量は2.88トンで、そのうち、電気の使用による排出が65.3%、都市ガスが15.3%、灯油が13.5%、LPガスが5.9%を占めました。
 

▲世帯当たり年間エネルギー種別CO2排出量・構成比(全国)
出典:環境省「令和2年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査
調査の結果(確報値)の概要」
調査の対象期間は令和2年4月~令和3年3月の1年間
 

〔令和元年度との比較〕
令和元年度と比べて令和2年度の年間CO2排出量が増加した要因を分析すると、電気のCO2排出係数の改善による「CO2 排出原単位要因」0.01 t-CO2/世帯・年減少、令和2年度の冬季の気温が低かったことによる「気候要因」0.04 t-CO2/世帯・年増加新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う生活の変化による「特殊要因」0.18 t-CO2/世帯・年増加、省エネの進展や世帯構成等属性の変化による「トレンド要因」0.05 t-CO2/世帯・年減少と試算されました。

世帯当たり年間エネルギー種別CO2排出量の推移
出典:環境省「令和2年度家庭部門のCO2排出実態統計調査
調査の結果(確報値)の概要」



 
〔二酸化炭素排出量の季節変化〕
二酸化炭素排出量を月別に比較すると、冬季の排出量が多いという結果が出ました。
1月が最大となり、12~2月の排出量は年間排出量の約35%を占めています。
▲世帯当たり月別エネルギー種別CO2排出量
出典:環境省「令和2年度家庭部門のCO2排出実態統計調査
調査の結果(確報値)の概要」


〔東北地方の年間二酸化炭素排出量〕
東北地方の世帯当たりの年間二酸化炭素排出量は、電気の使用による排出が2.38トン、都市ガスが0.17トン、LPガスが0.23トン、灯油が1.40トンを占めました。
北海道の2.04トンに続き、東北地方は灯油の使用による排出が多くなっています

 
▲地方別世帯当たり年間エネルギー種別CO2排出量
出典:環境省「令和2年度家庭部門のCO2排出実態統計調査
調査の結果(確報値)の概要」

 
〔東北地方の用途別二酸化炭素排出量(参考)〕
世帯当たり用途別で排出量を比較すると、東北地方では、暖房からの排出が多いことがわかります。
▲地方別世帯当たり年間用途別CO2排出量
出典:環境省「令和2年度家庭部門のCO2排出実態統計調査
調査の結果(確報値)の概要」


環境省ホームページでは、家庭における省エネルギー行動の項目別実施状況と二酸化炭素排出量の結果など、詳細にわたる調査結果の概要を公開しています。
令和2年度の二酸化炭素排出量は新型コロナウィルス感染症の感染拡大の影響による増加の一方、省エネの進展等による減少もみられる結果となりました。結果を参考に、引き続きできることから取り組んでいきましょう!


※「令和2年度家庭部門のCO2排出実態統計調査の結果(確報値)について」
(環境省ホームページ)

http://www.env.go.jp/press/110829.html