平成29年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査の結果が発表されました

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環境省は、平成29年度の「家庭部門のCO2排出実態統計調査」の結果(確報値)を発表しました。


日本は、地球温暖化対策計画において、2030年度の温室効果ガス排出量について、2013年度比26%削減家庭部門では約4割削減することを目標として掲げています。

環境省では、地球温暖化対策の企画・立案に役立てる基礎資料として、「家庭部門のCO2排出実態統計調査」を実施しています。
この調査では、調査世帯数13,000世帯(集計世帯数9,505世帯)を対象に、各世帯の世帯構成、住宅の建て方、電気、ガス等のエネルギー消費量や家電製品別の使用状況等、のべ496項目にわたって詳細に調査しています。

平成29年度の調査結果について、東北地方の情報を交えて一部ご紹介します。


〔全国の結果〕
世帯当たりの年間CO2排出量は3.2トンで、そのうち、電気の使用による排出が67.5%、都市ガス及び灯油がそれぞれ13.4%、LPガスが5.6%を占めました。
 
世帯当たり年間エネルギー種別CO2排出量・構成比(全国)のグラフ
▲世帯当たり年間エネルギー種別CO2排出量・構成比(全国)
出典:環境省「平成29年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 調査の結果(確報値)の概要」


〔地方別の結果〕
東北地方の世帯当たりの年間CO2排出量は、電気の使用による排出が2.6トン、都市ガスが0.17トン、LPガスが0.26トン、灯油が1.46トンを占めました。
北海道の2.08トンに続き、東北地方は灯油の使用による排出が多くなっています

地方別世帯当たり年間エネルギー種別CO2排出量のグラフ
▲地方別世帯当たり年間エネルギー種別CO2排出量
出典:環境省「平成29年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 調査の結果(確報値)の概要」


〔建て方別の結果〕
建て方別にCO2排出量を比較すると、戸建住宅の世帯では、集合住宅の世帯の約1.9倍という結果でした。

建て方別世帯当たり年間エネルギー種別CO2排出量のグラフ
▲建て方別世帯当たり年間エネルギー種別CO2排出量
出典:環境省「平成29年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 調査の結果(確報値)の概要」


〔世帯類型とCO2排出量〕
高齢世帯は、若中年世帯に比べて、CO2排出量がやや多いという結果でした。
また、世帯主年齢別のCO2排出量を比較すると、世帯主年齢60~64歳の排出量が最も多いという結果が出ました。
 
世帯主年齢別世帯当たり年間エネルギー種別CO2排出量のグラフ
▲世帯主年齢別世帯当たり年間エネルギー種別CO2排出量
出典:環境省「平成29年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 調査の結果(確報値)の概要」

 
〔CO2排出量の季節変化〕
CO2排出量を月別に比較すると、冬季の排出量が多いという結果が出ました。
1月が最大となり、12~2月の排出量は年間排出量の約37%を占めています。
 
世帯当たり月別エネルギー種別CO2排出量のグラフ
▲世帯当たり月別エネルギー種別CO2排出量
出典:環境省「平成29年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 調査の結果(確報値)の概要」


〔二重サッシまたは複層ガラスの窓の普及状況の把握〕
二重サッシまたは複層ガラスの窓の普及率は、気候が寒冷な地方(北海道、東北、北陸)が比較的高くなっています
 
地方別二重サッシまたは複層ガラスの窓の有無のグラフ
▲地方別二重サッシまたは複層ガラスの窓の有無
出典:環境省「平成29年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 調査の結果(確報値)の概要」

 
また、今回の調査で、二重サッシまたは複層ガラスの有無別でエネルギー消費量を分析した結果、すべての窓にある世帯では、無い世帯に比べ、エネルギー消費量が少ない傾向にあることが確認されました。特に暖房によるエネルギー消費量については約24%少なくなっており、断熱対策の効果が見て取れます。
※気候が寒冷な地方(北海道・東北・北陸)を除く戸建住宅・2人以上の世帯で分析
 
二重サッシまたは複層ガラスの窓の有無別世帯当たり年間用途別エネルギー消費量のグラフ
▲二重サッシまたは複層ガラスの窓の有無別世帯当たり年間用途別エネルギー消費量
出典:「平成29年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査の結果(確報値)について」(環境省HP)

 
〔1人当たりのCO2排出量と用途別CO2排出量(参考)〕
東北地方の1人当たりの年間CO2排出量は、灯油からの排出が比較的多くなっています
 
 
地方別1人当たり年間エネルギー種別CO2排出量のグラフ
▲地方別1人当たり年間エネルギー種別CO2排出量
出典:環境省「平成29年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 調査の結果(確報値)の概要」


また、世帯当たり用途別に見ると、東北地方では、暖房と給湯、照明・家電製品等からの排出が多いことが見て取れます。
 
地方別世帯当たり年間用途別CO2排出量のグラフ
▲地方別世帯当たり年間用途別CO2排出量
出典:環境省「平成29年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 調査の結果(確報値)の概要」


環境省HPでは、調査結果の概要を公開しています。
「家族が続けて入浴するようにしている」「炊飯器の保温機能を極力使用しないようにしている」といった、省エネルギー行動の項目別実施状況とCO2排出量の結果等もご覧いただけます。
これらの調査結果を参考にしながら、更に地球温暖化対策を進めていきましょう。


※「平成29年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査の結果(確報値)について」
(環境省HP)

http://www.env.go.jp/press/106537.html